斉宮農園ブログ

りんごとミニトマト。

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【作業、出来事】僕には信じる道がない

こんにちは、斉宮(夫)です。

ようやく雪が落ち着き、冬の終わりが近づいてきた。

会社員生活が終わり、農家の生活が始まるこの時期は、嬉しいような悲しいような、複雑な気持ちになる。

 

最近、「成瀬は天下を取りにいく」「成瀬は信じた道をいく」を読んだ。

僕にとって最強のインフルエンサー爆笑問題 太田光がラジオで面白いと言っていて、ずっと読みたいと思っていた、超人気作。

いつか文庫本が発売されたら購入しようと思っていたが、旅行先で立ち読みし、続きが気になって仕方がなくなってしまったのがきっかけである。

そういえば近所(といっても車で30分くらい)の図書館に置いてないかなと思い、調べてみると、なんと1冊置いてあるではないか!

残念ながら「成瀬は信じた道をいく」は貸出中だったけど、「成瀬は天下を取りにいく」は貸出可の状態。

喜び勇んで、つがる市立図書館へ。

 

ちなみに、この図書館すごく良い。

きれいだし、それほど混んでいないし、なんといってもイオンモールの中に開館しているので、とっても便利。フカフカした椅子もあって最高である。

「成瀬は天下を取りにいく」を借りた数日後、予約していた「成瀬は信じた道をいく」も借りることができ、イッキ読みした次第である。

 

というわけで感想だが、とにかく読みやすかった。

ワンピース1冊読むのに3時間かかる僕が、半日で1冊読めるほど、内容がスラスラ入ってくる。わかりやすい表現で書かれているので、(良い表現か分からないが)アニメを観ているくらいに情景をイメージしやすく、後戻りすることがほとんどなかった。

 

ざっくりなあらすじとしては、天才だけど変わり者の成瀬が、いろんな人に影響を与え、影響を受ける、という話である。

基本的に”いろんな人”側の目線で話が進むので、古畑任三郎のように成瀬が登場するとニヤリとしてしまう。

また、基本的には優しい世界なので、ほとんどの登場人物に好感が持てるし、共感できるところが多い。

そんな”いろんな人”目線で見る成瀬が、あまりに非現実で、芯がありすぎるところが非常に面白かった。

 

学校、会社、家庭、、集団に所属すると、どうしたってヒエラルキーがあって、周りの目を意識してしまうが、成瀬にはそれがない。かといって唯我独尊というわけではなく、人は人、自分は自分、だけど一緒についてきてくれたらちょっと嬉しいな、くらいのスタンスに憧れてしまう。

他人の目を気にし、他人の評価を強く意識し、他人の考えに流されやすい自分にとっては少し苦しいくらいに。

 

「成瀬は天下を取りにいく」は中高生の話なので、どうしても当時の自分と比較してしまう。

中学時代、いじめられるのが怖くて、目立つことを極力避けていた僕に対して、成瀬は島崎とM-1予選に出場する。予選通過は叶わないものの、相方兼友達の島崎とはずっと親交を深めている。

僕にそんな友達は一人もいない。

高校時代、理数科というだけでなぜか日陰者扱いされる空気が確かにあって、その空気を過剰に捉え過ぎた僕は、よく奇行に走っていた。この奇行こそが理数科の地位を上げるのだ!と信じて疑わなかった。実際は、普通科どころか同じクラスの一員からも、頭のおかしいやつだと思われていたに違いない。

一方、成瀬は、かるた班で全国大会に出場。地域の夏祭りでは総合司会を務める。

もはや学校のちっぽけなヒエラルキーなんて眼中にないのだ。

 

中高生でこの差である。もし3作目、4作目が出て社会人の成瀬を知った時、果たして僕は正気でいられるだろうか。いまだに信じる道を見つけられずにフラフラしている僕と、きっと何かの道を究めて天下を取らんとする成瀬。あまりの戦闘力差に、おそれおののき、震えが止まらなくなるに違いない。

 

天下を取れる力などないが、成瀬を見習い、せめて自分の信じる道くらいは見つけたいものである。

 

<農作業で聴きたい音楽>

曲名:四面道歌

アーティスト:細野晴臣 & イエロー・マジック・バンド

おすすめ度:★★★

コメント:

古い曲のはずなのに、今聴いても新しく感じるのが本当にすごい。

この曲を聴くと、どこか遠くに旅行した気分になれる。